JMEI Global Healthcare Leaders No.006 世界最大級のMedTech企業は、なぜまだ成長できるのか
Medtronicは、世界の医療機器企業を研究するうえで外せない基準企業です。
2026年度の売上高は363.64億ドル。前年比8.4%増、オーガニックでは5.8%増となりました。営業キャッシュフローは73億ドル、フリーキャッシュフローは54億ドルでした。
事業領域も極めて広く、
- Cardiovascular
- Neuroscience
- Medical Surgical
- Diabetes
を中心に展開しています。
2026年度第4四半期だけを見ると、Cardiovascularは37.97億ドル、Neuroscienceは27.51億ドル、Medical Surgicalは23.88億ドル、Diabetesは8.37億ドルでした。
面白いのは「次の柱」がいくつもあること
現在のMedtronicを理解するには、既存製品よりも新技術を見る方が面白いでしょう。
会社は成長領域として、
- Affera:心房細動治療
- Symplicity:腎デナベーション
- Hugo:手術支援ロボット
- Altaviva:神経刺激
- Stealth AXiS:手術ナビゲーション
などを挙げています。
特にCardiovascularでは、PFA(パルスフィールドアブレーション)を含む不整脈治療が急成長しています。前年度第1四半期にはCardiac Ablation Solutionsが約50%増、米国では72%増という成長を記録しました。
さらに2026年にはStealth AXiS Surgical Systemが欧州でCE Markを取得し、手術計画・ナビゲーション・ロボティクスを統合する方向を進めています。
巨大企業なのにM&Aを続ける理由
Medtronicは2026年度にもCathWorksを買収し、Scientia VascularやSPR Therapeuticsの買収を発表するなど、小規模・中規模のM&Aを継続しています。
これは重要な企業研究ポイントです。
巨大企業だからすべてを自社開発するわけではありません。
むしろ、
スタートアップが技術を作る → 臨床的価値が見えてくる → 巨大MedTech企業が買収する → 世界的な販売網で拡大する
というイノベーションの生態系が存在します。
したがって、Medtronicが何を買収するかを見ること自体が、未来の医療技術を探す方法になります。
これはJMEIの「未来企業発掘」に非常に使える視点です。
次の決算にも注目
Medtronicの2027年度第1四半期決算は2026年9月1日に発表予定です。同社は現時点で2027年度のオーガニック売上成長率を6.75〜7.25%と予想しています。
したがって9月1日は、JMEIとして再確認すべきポイントです。
JMEI総合評価
Medtronicは単なる大手医療機器メーカーではなく、世界の医療技術を取り込み続ける巨大なMedTechプラットフォームとして研究する価値があります。これは同社の幅広い新技術・M&A活動からのJMEIとしての評価です。
※本記事は企業・産業研究を目的としたものであり、特定の株式の購入・売却を推奨するものではありません。